「ふぁぁぁぁぁぁ・・・今日はバイトしないと・・・」
予備校に通おうともしない隆志にあきらめを感じた親は3ヶ月前から毎月送っていた仕送りも
途絶えがちとなり隆志はときどき日雇いの工事現場のアルバイトをして生活費を得ていた。
「・・・・・・・・・。」
食パンをほおばりながら隆志は何気無くTVのスイッチを入れようとリモコンを手にして画面に向けた。
「・・・?」
隆志は真っ暗いブラウン管に番組が画面に映る一瞬、女性の画像が目に入ったのを覚えた。
(・・・?)
(あれ・・・?)
チャンネルを変えて見ても一瞬画面に映った女性は出ていなかった。
(気のせいかな・・・)
隆志は映った女性が最近ドラマに出演しているお気に入りの女優に見え
出演している番組は欠かさずチェックしているほどのファンだったので少しがっかりした。
全てのチャンネルをチェックした隆志は不満そうにTVのスイッチを切った。
(えっ・・・)
何も映っていないTVのブラウン管に女性は現れた。
「えっ・・・」
隆志は目を丸くしながら現実の事か確かめるように言葉を発した。
背景は自分の部屋なのだが・・・
隆志と同じスエットと着た女性が食パンを片手にして驚いた表情を見せていた。
「な・・・何だ・・これ・・・」
隆志が声を漏らすと女性も同じように口を動かした。
それに・・・
映っているはずの自分の姿はそこになかった。
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