「それでは…お部屋を少し片付けますね…」
香菜子は明るい笑顔で喜一に言うとトレーナーの腕を捲くった。
部屋にこもっているよどんだ空気を入れ替える為に窓を開けて換気をし
黙々と香菜子は部屋に散乱しているゴミを片付けていった。
喜一は布団の上に横たわりながらてきぱきと動く香菜子の姿を目で追っていた。
好みの演歌歌手に良く似た香菜子の顔を眺めていた喜一の視線はいつしか
ジーンズに包まれたふくよかな丸みを帯びた香菜子の尻に移っていた。
(ほう…良い…ケツしてるのう…女盛りの脂の乗った丸い尻じゃ…)
喜一に見られてるとも知らずに香菜子は背を向けてしゃがみこんで
床にちらばっている細かいゴミを拾い集めていた。
掃除をしている香菜子の体を見つめる喜一の眼差しは
70歳を過ぎた老人とは思えないほどギラギラとした色欲を求めているようであった。
(とりあえず…こんなもんかな…)
あらかた片付けを終えた香菜子は少し滲んだ額の汗を拭いながら立ち上がった。
(次はその汚れた布団ね…)
「布団のシーツを変えましょうね…少し体を動かしますね…」
問いかけに喜一がゆっくりと頷いたのを確認した香菜子は講座で習ったように
喜一の上半身に抱きつき体の移動をしようと試みた。
何日も風呂に入っていない喜一のすえた体臭が鼻をついたが香菜子は構わずに
喜一の胸板に自らの上半身を密着させていった。
すこし不安げだった喜一であったが接近してきた香菜子から匂ってくる
甘い体臭を嗅ぎ取り目元を緩めた。
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