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2010-03-20

工事現場 第5話

「・・・ん? 違うのかい・・?」
大山の眉間できた皺がさらに深さを増し、橋本を見るその眼光にメリメリと力がこもってきたの目にし梨恵子はビクビクしていた。
「あの・・・あのですね。金曜にお電話いただいたときにはお手伝いできます者がおりまして・・・私も、その・・・」
「ん!何だ?はっきり言えばいいだろ! ゴモゴモ言ってないで」
「ええ、はい。ただですね・・・。そ、その者が昨日の夜、食中毒で急に入院してしまいまして・・・。」
「何~ 食中毒~っ 入院だぁ~?」
「え、ええ・・・。そのどうも今流行の、Oー157だとかなんだとか・・・」
「あのさ、橋本さんよぉー。 なんだかんだいって、手伝えないなら手伝えないって断ってくれればいいんだからさぁー」
腕組みした大山は思わぬ話の展開にソファーに腰を下ろすのをやめ、橋本と梨恵子を威嚇するように見下ろしていた
「いえいえいえいえ、大山さん!手伝わせてください・・・うちとしましては、ぜひお手伝いにあがりたいと・・・お願いします!」
頭をさげる橋本から落ちた汗の溜まりがテーブルの上に滴を作っていった。
「だ・か・ら! あんたが来たってことは、あんたが手伝ってくれるんだろ・・橋本さんよぉ?」
「そ、それが・・・。わ、私・・・どうしても事情がありまして、これから東桜山市に向かわないとならなくてですね・・・。」
橋本はこれ以上無いほど、何度も頭を下げ続け、すぐにでも土下座しそうな勢いであった。
「何だと! うちのことよりも大事な用事があるのか ほぉ~そうかいそうかい!お宅は他の会社さまを大事にするんだな・・」
大山はこみ上げてくる怒りを隠そうともせず、瞬く間にその顔を赤くさせていった。
(ど・・・どうしよう・・・。)

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2009-11-18

工事現場 第4話

昨夜遅くの緊急の電話で橋本に言われ、履いてきたスニーカーが足元の赤土に滑り、よろけながらも梨恵子も続いた。
橋本が向かったプレハブに向かう梨恵子は何者かに見つめられている視線を感じ、ふとその方向を向いた。
「・・・・・・・・。」
タンクトップや肌着姿の見るからに肉体労働者という中年男達数人が梨恵子の姿をじっと窓から見つめていた。
男達がいるプレハブ近くには薄汚れたシャツなどが洗濯して干してあり、その男達はそこで何日も寝起きしているようであった。
その視線の鋭さに梨恵子は軽く会釈をしたものの、顔をあげられずに橋本が向かったプレハブのドアへと歩みを急いだ。

梨恵子は入り口で軽くスニーカーを叩き泥を落として、事務所の中へと視線をやると日焼けした毛深い中年男が橋本と向かい合っていた。
「大山さん、わざわざ手前どもなんかの為に、お忙しい中、お待たせしてしまって・・」
橋本は極度の緊張からか少しうわずった声で、目の前の男にペコペコお辞儀しながら挨拶をはじめた
「この度はどうぞ、よろしくお願いいたします・・」
橋本の態度ぶりに察した梨恵子もその男に深々とお辞儀をした。
「まぁ、いいから・・・そこにでも座って」
50代後半くらいの風貌の大山は手を仰ぐように動かすと野太いガラガラ声で橋本らの挨拶をさえぎるように土埃で薄汚れたソファーを指差した。
「あ、すいません。それでは・・失礼します・・・。」
「し、失礼いたします。」
梨恵子は目の前の大山や事務所全体に漂う何ともいえない不潔感に思わず眉を潜めそうになったが、隠し通し緊張の面持ちのまま腰を下ろした。
「で・・・? 今日は橋本さん自らが来たってことは、あんたが手伝ってくれるって事なんだよな?」
大山は、何でここにいるんだと言わんばかりに横の梨恵子を一瞥すると視線を橋本に戻して言った。
「い、いえそれが・・・あの・・・あの・・・」
しどろもどろの橋本のこめかみから脂汗の滴が垂れ出し、紅潮した顔つきでその汗玉を拭っていた。



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2009-08-05

工事現場 第3話

橋本設計事務所で経理事務をしている梨恵子はパートから契約社員となってようやく2ヶ月が過ぎようとしていた。
今年で32になる梨恵子は夫の転勤に伴ってこの街に引っ越しし、子供のいない梨恵子は職を探し、ここ橋本設計で10時入り15時上がりのパート勤務をしていた。
勤めだしてすぐに梨恵子の周りへの気配りや親しみやすい人柄に加えてその清楚な印象を与える容姿に誰もが好感を持ち、
勤務1年が経過しパート契約の更新の際に契約社員への切り替えを所長である橋本自らがかなり強引に薦めたほど、梨恵子は評価されていた。
今回の一件は橋本の安請け合いの結果ともいえるが、人手不足が深刻なこの建設業界ではどこの業者も人の貸し借りは通例化し
橋本もその恩義から受注を伸ばしてきたが今回は頼みの松尾が急病に倒れ、出せる人手は何も分からない梨恵子のみといったのっぴきならない状況となっていた。

約1時間程、国道を走りと市街地の風景は山並みの緑木へと変わり、道も舗装路から砂利道へと変わっていき道幅もだいぶ狭くなってきていた。
「ここだ・・・その看板が・・そうだから。」
大山組とかかれた看板を確認した橋本は小さく呟くと、車のスピードを落とした。
早朝に事務所を出て2時間近くかかり、ようやく目的地の工事現場についたのだった。
「ふぅ・・・なんとか9時前に着いた。いいね…くれぐれも失礼のないようにするんだぞ…」
車のドアを閉めた橋本は梨恵子に念を押し、目の前の3つのプレハブが連結している、その中の1つに入っていった。

2009-04-29

工事現場 第2話

「だ・か・ら!手伝える事があるかどうかじゃなくて、自分で仕事を探すんだって昨夜の電話でも言ったでしょ・・・」
「は、はい・・・。」
「重要なのは、人手をうちが貸しているという事実なんだから、そこから、いずれは受注拡大へと話をもっていくわけだから・・・」
「え・・ええ・・それは夕べの電話で何度もお聞きしました・・。」
梨恵子は昨夜遅くにかかってきた橋本からの電話の内容を思い出していた。

「先週末、大山さんから人手を貸して欲しいって言われたときには松尾ちゃんの手が空いていたから、2つ返事で喜んでお伺いすると言っちゃったけど」
「・・でも松尾さん・ご病気で・・・」
「そう、昨日の夜、食中毒で入院しちゃっただろ・・他の連中にも当たったけど、皆、ギリギリのローテーションでやってるから」
「はい・・・。」
「森尾さんしかいないんだよ・・・今日、うちで出せるのは。人を出す約束だけはなんとか守らないと、受注が増えるどころか、逆に切られちゃうから」
「は、はい・・・。私、やれるだけ、がんばってみます」

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月夜桃花の物語

2009-04-22

工事現場 第1話

「さて…行こうか…」
先方への電話を終えた橋本は腕時計と事務所の壁にかかっている時計を交互に見て言った。
「はい・・・。」
時計の針は午前6時30分を指しており、返事をした梨恵子は普段の日であれば、夫の朝食の支度している時間であった。

梨恵子は少し緊張した面持ちで橋本の後を追い事務所横の駐車場に止めてある車にいそいそと乗り込んだ
「森尾さん、分かっているね?これから行く取引先がどれくらいうちに取って重要なのか・・」
運転席に座りシートベルトに手をやりながら橋本は真剣な顔つきで梨恵子に言った

「え…ええ…」
「現場監督の大山さんは気難しいところがあるから…その辺はうまくやって下さいよ…」
「は・・・はい…で・・・でも・・・所長・・・そんな工事現場で私に、手伝えることなんて、あるのでしょうか?」
梨恵子はシートベルトを確認すると、神妙な顔で橋本に聞いた.

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Author:月夜桃花
はじめまして、月夜桃花と申します。
オリジナル官能小説を描いてます。
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