「・・・ん? 違うのかい・・?」
大山の眉間できた皺がさらに深さを増し、橋本を見るその眼光にメリメリと力がこもってきたの目にし梨恵子はビクビクしていた。
「あの・・・あのですね。金曜にお電話いただいたときにはお手伝いできます者がおりまして・・・私も、その・・・」
「ん!何だ?はっきり言えばいいだろ! ゴモゴモ言ってないで」
「ええ、はい。ただですね・・・。そ、その者が昨日の夜、食中毒で急に入院してしまいまして・・・。」
「何~ 食中毒~っ 入院だぁ~?」
「え、ええ・・・。そのどうも今流行の、Oー157だとかなんだとか・・・」
「あのさ、橋本さんよぉー。 なんだかんだいって、手伝えないなら手伝えないって断ってくれればいいんだからさぁー」
腕組みした大山は思わぬ話の展開にソファーに腰を下ろすのをやめ、橋本と梨恵子を威嚇するように見下ろしていた
「いえいえいえいえ、大山さん!手伝わせてください・・・うちとしましては、ぜひお手伝いにあがりたいと・・・お願いします!」
頭をさげる橋本から落ちた汗の溜まりがテーブルの上に滴を作っていった。
「だ・か・ら! あんたが来たってことは、あんたが手伝ってくれるんだろ・・橋本さんよぉ?」
「そ、それが・・・。わ、私・・・どうしても事情がありまして、これから東桜山市に向かわないとならなくてですね・・・。」
橋本はこれ以上無いほど、何度も頭を下げ続け、すぐにでも土下座しそうな勢いであった。
「何だと! うちのことよりも大事な用事があるのか ほぉ~そうかいそうかい!お宅は他の会社さまを大事にするんだな・・」
大山はこみ上げてくる怒りを隠そうともせず、瞬く間にその顔を赤くさせていった。
(ど・・・どうしよう・・・。)
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