「どうしよう・・もう泣きたくなっちゃう。」
大きなバックを手にしたまま立ちすくむ涼子を後目に男達は部屋の中をそれぞれ陣取り、荷解きを始め
ながら困った顔で玄関口を動かない若い日本人女性に視線を向けていた。
困り顔の涼子の横では、 明らかに早く家に帰りたがっている現地の男性が同じように困っていた。
「ここしかないんだよね・・。えーん・・。」
「仕方無いんだよね・・。」
涼子は、あきらめて滞在期間分の宿泊代を男に払うと、おそるおそる部屋へとあがっていった。
「ハ・・ハロー」
涼子は、笑みを浮かべている男性達の横を擦りぬけながら愛想笑いを浮かべながら挨拶してまわった
白人達は、自分達と1つの屋根の下で一緒に寝泊まりしようとしている可愛らしい面持ちをした小柄な
日本人女性を驚きと感嘆の声で迎えていた。
実際、涼子はスレた感じの海外で1人旅をしている日本人女性と違い、可愛らしい顔をしていた。
倉木○衣に似た面持ちをしている涼子は休日でショッピングしているときに、良く数名のスカウトマンから声がかかるくらいであった。
男達は涼子の存在に関係なくラフな服装へと着替え出した事に涼子は慌てて視線をそらした。
わざとらしく腕時計を見て時間の確認をしたりしていた涼子の姿に笑い声があがっていた。
「ハハハ・・かわいいじゃねえか・・あの女」
流暢な英語で交わす男達の会話はまったく涼子には知られなかった。
「オイ!あんたも脱いだほうがいいんじゃねぇか?」
男の1人が涼子に向かって言うと周りの男達も笑い声をあげ、涼子は何となしに自分の事を言われているような気がしてたが、意味が分からずつくり笑顔を見せていた。
「英語が分からないんだぜ。あの娘。」
「今夜、おまえの、おまんこに舌を入れて思いきり舐めてやるぜ。ハハハ」
涼子は自分に恥辱的な言葉を浴びせられてるとは思わずに、荷物をほどいていた。
日本で言う「布団」らしきものが人数分敷いてあり、少し離れたところにダイニングテーブルが置いてあり、その奥にトイレと洗面台があるのが部屋の全貌であった。
(・・・・こんな状況で・・女1人で寝るなんて・・)
幸いにして一番、端の布団の場所を陣取れた涼子であったが不安は募るばかりであった。
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