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2009-10-03

用務員Ⅱ 第3話

「女子寮とは…」
学園から帰り道で雄蔵はため息をついた。
他の男なら若い女子高生を相手にするので喜ぶべき仕事であったが真面目で実直な雄蔵は
孫くらいの娘達を相手に勝手の分からない仕事をしなければならない憂鬱を感じていた。
「とりあえず…頑張るか」
桜王子駅の改札口に辿り着いた雄蔵は新たな仕事に誠心誠意尽くそうと心に決めていた。
「ずいぶんと学園から遠いいなぁぁ…」
雄蔵は桜王子駅から電車を2本乗り換えようやく「桃花」という小さな駅に降りた。
辺りはすっかり山に囲まれて学園のある都市部と様相を180度変えていた。
「な…ここからバスだって…?」
地図を確認した雄蔵は1時間に2本しかないバスを待っていた。
「こんなに遠くて…学校まで通えるのかな」
まだバスが来るまで時間がたっぷりあるので雄蔵は学園から送られてきた資料を開いた。
「……隔週出席制!?…なんじゃそりゃ」
私立桜王子学園は毎年、入試の時期になると全国から入学希望者が殺到していた。
1週間出席すると翌週は完全に休みとなる学園独自の隔週出席制度にあった。
推薦入学の制度がないため実力で受験する者が多く
そのため偏差値は全国でもTOPクラスであった。
ただし学園の経営に強い味方となる金持ちの子息、令嬢に対して学園側も配慮し
入学金が3000万という巨額な私立桜王子学園付属中学校も経営しその卒業者に
関してはエレベーター方式で入学が許されていた。
特にこれから雄蔵が寮父を勤める「桃花」女子寮はそういった金持ちの令嬢専門の
女子寮となっており他のガリ勉達の寮とは違った雰囲気を持っていた。
「1週間行って1週間休みか…世の中変わったなぁ…」
しみじみとしている雄蔵のもとに定刻より10分ほど遅れている路線バスが停車した


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