不安になっている涼子は同じく動揺を隠せない他の白人達の後ろにくっついて歩いていた。
月明かりと家々から漏れる明かりにオレンジ色の焼き煉瓦できた家々の壁が浮きあがっていた。
「わぁ・・・素敵・・。」
幼い頃に読んだ童話の挿絵にあった光景が、まさしく現実としてそこに存在し、涼子は感動していた。
やがて、涼子達はある一軒の家に辿りついた。
周りの家に比べてひときわ大きな造りのその家は、村唯一の外部の人間用の宿泊施設でいわゆる
「ホテル」であった。
平屋造りの、その家の内部は20畳くらいの広間が1部屋がすべてであった。
「・・?」
デグリット村行きのバスに乗る際に運転手に「ホテル」の存在を確認していた涼子は、ここがその運転手が言っていた「ホテル」なのか迷っていた。
玄関口にいた現地の男性に他にホテルがあるのか聞いてみたが答えは「ノー」であった。
「え・・だって・・」
涼子の他の観光客はみな白人男性であった。
なんで男性ばかりなのか涼子はその事に気付いた時に不思議に思ったが、逆に意識してみると彼らは
当初なぜ女である涼子がデグリットに行くのか不思議そうに見てたので涼子の頭は「??」だった。
涼子はもしかして白人男達は、みな「ゲイ」なのかも・・と疑ったがそんな雰囲気は微塵も無く、そのうちに涼子は仲の良い友人達で故郷を思い出させるデグリットを訪れているのだと解釈していた。
「・・本当に・・女の私も・・ここで泊まるってことなの・・?」
他に宿泊場所が無いのを知った涼子は愕然としていた。
白人男達に悪そうな雰囲気を持った人物はいないものの、体が大きい見ず知らずの異国の男達とともに寝泊まりしなければならない選択をしなければならない事に動揺していた。
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