「この分野は大手が数社いるが…十分勝負できると踏んだ」
「……。」
「我が社はすでに紙オムツの分野でトップクラスの実績を誇っている」
「…はい…。」
「そこでのノウハウや技術、また我が社のブランドイメージをもって…」
「生理用品市場を開拓する…」
「……。」
「そこで女性である君の力を借りたいんだ…」
優香は武田が自分呼び出した理由をようやく聞いた。
「私で…よろしいのですか?」
「ああ…君にお願いする事を幹部達は全員一致で可決した。」
「理由をお伺いしても…よろしいですか?」
「理由か…それは…君に対する信用だ…」
「……。」
「他の女性社員はあてにならん…その点君は違う…任せられる」
「極秘で進めるこのプロジェクトを成功させるには信用できる女性が不可欠なんだ」
「君なら…出来る」
優香は会社幹部が自分に寄せる期待に喜びを感じ
数百いる女子社員の頂点に上り詰めた実感を得ていた。
「プロジェクトが成功したら君の将来は約束されたも同然になる…」
「……。」
「史上最年少の秘書課長の誕生かもしれない…」
優香の直属の秘書課長の太田サツ子は入社27年目のオールドミスであった。
何度か衝突した事のある彼女の座が自分のものになるという征服感には強い魅力があった。
「……」
「特別賞与も用意しよう…」
「……」
「やってくれるか?」
「はい…我が社発展の為に誠心誠意尽力いたします。」
優香に迷いは無かった。
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