実際、優香の存在がもとで成立した商談も何度かあった。
洗練された美貌と完成されたプロポーションに漂う色香と仕草に現れる知的なイメージが
重なった優香は文字通りNO.1秘書であった。
「いや…話というのは我が社の社運をかけた一大プロジェクトについてなんだが…」
「一大プロジェクト…?」
「まだ杉本君の耳に入っていないと思う…なにしろ極秘で進めているものだから…」
「極秘…」
「会社幹部と一部の者しか知らない…もちろんこの事は口外しないように…」
「はい…分かりました…」
優香は冷静に言葉を返した。
「我が社は長年…紙業界で多肢に渡る分野で業績を伸ばしてきたが…」
「……。」
優香は武田が本題に入ったのを知り無言で聞き入った。
「ここ数年は売上の伸び率も低迷し…昨年度末の役員総会で社長直々に指令が下った」
「……。」
「新たな分野への挑戦…商品開発の絶対指令だ…」
「……。」
「この数ヶ月、緊急幹部会議を幾度も開き議論を重ねた結果…開発商品が決まった。」
「……。」
上司の意見を聞く態度を心得ている優香は決して口を挟まずに武田の話を聞いていた。
「すでに…研究室でも動き出している」
「今回の開発商品は…女性の生理用品だ…」
優香は内心少し驚いたがその表情を変えることなく平静を装っていた。
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