Tシャツ、短パンといったいでたちの男がトイレに向かっていくのを涼子は目にした。
「え・・え・・」
涼子は、トイレの場所がすぐに確認できたのを不思議に思わなかった理由を目にしていた。
男は、洋式便器の前で立ち止まると涼子のいる側に向き直り、おもむろに下半身を露出させてしゃがみこんだのだった。
その姿に涼子は思わず顔を手で覆ったが白人男性の股間にぶらさがった性器を目にしてしまっていた
(なんで・・ドアを閉めないの・・)
顔が見る見るうちに赤く染まっていくのを感じながら、用を足している男に背を向けていた。
そんな涼子の姿に男達は小声でささやきあってヒワイな笑い声をあげて談笑した。
水が流れる音がして、涼子はようやく姿勢を戻して荷ほどきの続きを始めた。
いつのまにか男達は、持ってきた缶ビールなどを持ちより酒の席をつくり飲み始め陽気に騒いでいた。
自分から興味が外れたのに、涼子は少し安堵して自分も着替えようとバックから替えの服を取り出した
くしくも日本から持ってきたのが男達との服装と同様なTシャツと短パンであったが、夜でも30度を 下回らないくらいの熱帯に位置しエアコンなどある訳もないこの部屋で寝るにはそれしか無かった。
(そうだ!・・・トイレで着替えちゃおぅっと」
ビールの酔いで顔をピンク色に染めている白人男達の輪を避けて涼子はトイレに向かった。
チラリと酔った目で自分の姿を追いかける男達の視線を浴びながら涼子はトイレに辿りつくとドアを閉めようとその存在を確認しようとした。
(・・・?)
真正面には、洋式便所が1つポツンと見えているのだが上下左右どこを見てもドアが無かった。
(え?何で?・・え?・・)
涼子は当然あるトイレのドアがどこにも無いのを信じられないで動揺しながらキョロキョロしていた。
しかし、いくら見てもそこにドアが無いのは見て歴然としていた。
(そ・・そんなことって・・)
口に手を当てたまま涼子は信じられないと言った表情でその場に立ちすくんでいた。
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