いつものようにダイニングテーブルの上にコーヒーとノートパソコンを置くと
美奈子は深夜のチャットを始めようと電源を入れた。
「………。」
「うーん。。」
「今日は…どこも入りつらいなぁ…」
チャットに慣れてきた美奈子は会話の内容を見て
常連だらけの場合の新規参入のし辛さを知っていた。
まだ10時で靖男はとっくに寝てるが自分が寝るにはまだ早かった。
「そうだ…こういうときは検索…検索」
美奈子は検索スペースに「チャット」と入力してみた。
検索後のページにチャットHPがずらずらと並んで画面に現れていた。
「ここは…常連さんばかり」
「次は…ここも…常連さんばっかり」
表示されるチャットには常連と思われる人達が仲間内でしか分からない内容を話していた。
「あら…個室チャットだって」
「何だろ…」
検索結果の最下尾に表示された「個室チャット」にカーソルを合わせクリックした。
そこには部屋のNOと空室状況を知らせるボタンが表示されていた。
部屋NOの横に部屋で待っている人の名前がありコメントが書いてあった。
ROOM NO1 入室可 やすあき 男 ゆき待ってるよ~!
ROOM NO2 入室可 あきら 男 Hな事したい人おいで
ROOM NO3 満室
ROOM NO4 満室
ROOM NO5 空室
ROOM NO1 入室可 まもる 男 Hな気分の女性気軽にどうぞ!!
「男の人ばっかりね。。。しかもHな希望ばっかり」
美奈子はこれまで男性とチャットしたことがなかった。
どんな人か分からない男と会話するのが怖かったからであった。
「あ…5号室空いてる」
良く見ると5号室が空室になっているのを美奈子は見つけた。
「そうか…私から募集すればいいんだ」
美奈子は空室のボタンをクリックして入室した。
「名前は「美奈子」っと…「女」でしょ…」
「最後にコメントか…うーん…」
「「初心者です。気楽にチャットしたい女性待ってます」これでいいや…」
(楽しみ…楽しみ…)
画面には
案内:美奈子さんが入室されました。
と表示されていた。
(どんな人が来るかな…出来れば同じ位の歳の女性で料理に詳しい人がいいな…)
頬に手を添えて美奈子は画面をしばらく見つめていた。
やがて画面に変化が現れた。
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